森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート):ブランド・マーケティング
2024-01-17T17:33:55+09:00
jo-toyo
林住期を、より充実したものに!
Excite Blog
No.2198 15歳になりました。瀬戸の晴れ姫
http://forestjo.exblog.jp/33781810/
2024-01-11T13:15:00+09:00
2024-01-17T17:33:55+09:00
2024-01-11T13:15:30+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
先日スーパーで見かけ、無事2009年の誕生から15歳になっているのを知り、生みの親?の一人として嬉しくなり、宣伝の一役にもなれば、と。(番外 「瀬戸の晴れ姫」 今日、ローンチ(出帆)! : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp))
当時、高校の同級生が経営するコンサルタント会社のパートナー・コンサルタントとして、故郷・愛媛県今治市に一年半くらい月一回のペースで通い、新ブランド投入までお手伝いしました。農林水産省の「食品地域ブランド化支援事業」という支援金の助成を受けてのJA越智今治さん(JAおちいまばりグループ – あったか〜い 心のおつきあい。 (ja-ochiima.or.jp))のプロジェクトでした。
そういえば、このブログでも先日も触れたように。当時はマーケティング学会、論壇だけでなく、このようなブランド化への取り組みもなかなか盛んだったように思う。今でも日本(経済)にとって地域ブランドのみならず世界ブランドとしてもブランドの高付加価値化・プレミアムブランド化が課題だと思われるが、このような動きは今どうなっているのでしょうか?
No.2178 いささか、口幅ったいですが。 : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp)
スーパーの入口の果物コーナーの一番席に並べられていました。
ミカンの中で価格もトップクラスでした。
箱売りも。
当時の中晩坩ミカンの新品種「はれひめ」の中から糖度12以上のものを厳選し、ブランドしたものです。
香りオレンジ風な、明るいおいしさ。あっぱれ! うまい!!
しまなみ育ちの愛媛みかん 瀬戸の晴れ姫
]]>
No.2178 いささか、口幅ったいですが。
http://forestjo.exblog.jp/33601381/
2023-11-16T11:23:00+09:00
2023-11-17T14:03:40+09:00
2023-11-16T11:23:48+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
「ブランド」というもの : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp)
No.2102 「悪い円安」とブランド : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp)
さて今回も国力や円安が主テーマではなく、「ブランド」に関してである。 上の著書で加藤出氏は、日本の国力=稼ぐ力の喪失は、日本企業のブランドマーケティングの努力不足が最大要因の一つと指摘している。 「(人口減少などもあり国内市場の拡大が望めないなかで)海外市場の開拓が日本企業の成長ドライバーとなっている今日、グローバルに通用するブランドづくりは喫緊の課題」(p250)
「新興国の製品との価格競争と一線を画すためにも、日本らしい誠実さを醸し出すブランドを構築しながら日本企業は収益力を高めていくべきだろう。そうしないと、持続的な賃金上昇の実現は難しくなってしまう」(p255)
日本のマーケティング学会、論壇でも、一時「ブランド論ブーム」が数年にわたって続いた。ちょうど21世紀が始まる頃を中心に数年は続いたものと記憶している。バブル崩壊が起きた後であったと思う。マーケティング関連雑誌、書籍でも「ブランド論」が大流行りであった。将来の日本の国力低下を憂う意識がそれなりにあったのか?
なに言おう私も、そのブームに参加した。 1999年に元会社をリストラ休職し、時間の余裕もあり、それまでのマーケティング関連の仕事での問題意識もあり、次々と論文を書いた。その多くは日本マーケティング協会の査読雑誌「マーケティング・ジャーナル」日本商業学会「流通研究」などにも掲載された。 そしてそれらの論文をまとめた「解釈主義的ブランド論」(白桃書房、2003年)を出版した。 しかし、いま振り返ってみれば、そのブランド論ブームは何だったのだろう。 実際には学会、論壇が躍っただけで、実際の日本企業のブランドマーケティングへの真剣な取り組みはほとんど見られなかった。まさに加藤出氏が指摘する通りである。 唯一の例外が、このブログでも触れてきた私の元会社「マツダ」の「ブランド価値経営」でしかない。最高経営者がそれを最優先課題にしてきたのは、寡聞にして「マツダ」しか知らない。「ブランド価値経営」はトップマネジメントがその気にならないと出来るものではない。 上の拙著も77の大学図書館には置かれていて(CiNii Books)、2,3の文献に引用されたのを除いて、学会、論壇ではほとんど反応はなかった。 それまでのマーケティング学の寄って立つ、自然科学に範をとった方法論ー実証主義を排し、新しい社会科学の方法論ムーブメント、記号論、解釈主義、ポストモダンなどの方法論に拠った新機軸のブランド論と自負しているが、既存の学会、論壇からはあまり見向きもされなかったようだ(私がマーケティング学の啓発を受けた当時の神戸大学経営学部・石井淳蔵教授およびその学統を除いて)。拙著の章の多くは。査読付き専門雑誌に採用されたものにもかかわらず。 新しい科学方法論に立つだけに既存学会、論壇では理解されなかったか、意図的無視をされたか? なにせ寄って立つパラダイムが違っているから。
それでも、当時の若い大学生には、それなりに理解されたようで、それが嬉しい。 以下は、「大学生の読書・スレッド」に載った拙著への言及である。
ブログ「大学生の読書・スレッド」http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/campus/1182222485/ 364 : ホスト(長屋):2007/07/11(水) 03:07:41石井淳蔵『マーケティングの神話』『ブランド』
石井淳蔵・石原武政『マーケティング・ダイナミズム』『マーケティング・インターフェイス』『マーケティング・ダイアログ』
豊島襄『解釈主義的ブランド論』
栗木契『リフレクティブ・フロー』
木村純子『構築主義の消費論』
南智恵子『ギフト・マーケティング』
物を売るには消費者に対する深い洞察と理解が必要だが、上記の本ではその消費者理解においてポストモダン的知識が非常に有効であることを、さらにはビジネスの実践一般において非常に有用なものであることを豊富な実例や、著者のビジネス実務の実体験(豊島の本)などに基づいて示している。
哲学・思想・学問としては認められずとも、ポストモダンは何よりも現実生活において役立つ「実学」としての側面を持っているのであり、 そして無用の長物、単なる言葉遊びではないことが分かる。
嘘だと思うのなら上記のビジネス書を読んでみるが良い。
とくにオススメなのは実務家である豊島襄の本である。
365 : ホスト(長屋):2007/07/11(水) 03:10:31とくに実務界出身の豊島氏の本は、石井・石原による一連の議論も踏まえたうえで論点がよく整理されており、非常に分かりやすい。
また豊島氏は上記著書の6章で、ソニー・ウォークマンの戦略をカルスタ理論によって分析しているが、この点もマーケティングの分野では異色の試みであり、非常に興味深い。 ポール・ドゥ・ゲイ&スチュアート・ホール『実践カルチュラル・スタディーズ:ソニー・ウォークマンの戦略』 とあわせて読むと、いっそう理解が進むと思われる。
(後略)
投稿者 ken : 2006年12月12日 23:20豊島襄氏の『解釈主義的ブランド論』あたりを一読されればお分かり頂けるでしょう。 とくに豊島氏は実務出身の著者で、議論の展開も石井氏以上に明解かつ発展的ですが、その豊島氏もやはり、従来型のマーケティング論よりも石井氏のマーケティング論のほうが圧倒的に有用だと評価している点は注目に値します]]>
No.2152 「マツダ」ブランド力向上?(+大寒の鎌倉)
http://forestjo.exblog.jp/32928540/
2023-01-21T20:43:00+09:00
2023-01-24T07:13:21+09:00
2023-01-21T18:24:16+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
特にサブタイトルの「一台利益2倍、今期の北米販売最高」について。
「マツダの稼ぐ力の回復が逆風下で際立っている。2023年3月期は主力の北米販売台数が開示以降で最高となり、営業利益は事業環境が悪化する前の19年3月期比で7割伸びる。伸び率は車大手7社で最も高い。環境変化に柔軟に対応し1台利益が同2倍になることが支えだ」
以前の記事 「ブランド」というもの : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp) で日銀ウォッチャー・加藤出氏の著書『日銀出口なし』(朝日新書)の一節を引用させていただいた
日本の企業の競争力低下、国力低下を指摘した後で、
「一方、欧米には、新興国の製品との価格競争に拘泥することを避けるため、ブランディングに積極的に投資して、利幅が厚い製品を売り続けている企業が多い。それには長期的なマーケティングが必要だが、新興国の消費市場で観察していると、多くの日本企業はそれに経営資源を割いていないことが明確に感じられる」(p52)
日本企業が競争力回復、稼ぐ力を取り戻すためには、
「(人口減少などもあり国内市場の拡大が望めないなかで)海外市場の開拓が日本企業の成長ドライバーとなっている今日、グローバルに通用するブランドづくりは喫緊の課題」(p250)
「新興国の製品との価格競争と一線を画すためにも、日本らしい誠実さを醸し出すブランドを構築しながら日本企業は収益力を高めていくべきだろう。そうしないと、持続的な賃金上昇の実現は難しくなってしまう」(p255)
こうした加藤氏の指摘への一つの回答が、今日の日経記事ではないだろうか?
このブログでも何度も取り上げたが、マツダのブランド力向上のエビデンスは多い。例えばアメリカの消費者情報誌「コンシューマーレポート誌」の信頼性評価No.1の評価等々。
No.2045 またまた、マツダが世界自動車ブランドの総合評価でトップ : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp)
加藤氏も言う通り、ブランド力をつけることが高付加価値販売を可能にする。「一台利益が二倍」は、その成果ではないか?
日本企業が稼ぐ力、ひいては日本が国力を強くするには、ブランド力向上が最も確かな道?
大寒の鎌倉
今日は、ちょっとした用事があり、鎌倉に行ってきました。
今日から大寒でありながら、沖合を暖流が洗う鎌倉は、私が住む埼玉より数度は暖かく、穏やかだ。
大寒の由比ガ浜
鎌倉八幡さまに初詣
土曜日で結構な人出でしたが、意外に外人客は少ない。よく目立つ西洋人なども数人を見かけただけ。
鎌倉八幡の大イチョウのモニュメント(切り株)
樹齢1000年といわれた、有名な大イチョウは2010年に大風で倒れてしまいました。
鎌倉幕府三代将軍源実朝は、このイチョウの陰に隠れたいた甥の公暁に暗殺され、頼朝の直系は途絶えたと言い伝えられています。
鎌倉八幡境内にて。
ジュウガツザクラ
白梅
クロガネモチ
]]>
No.2107 これは驚いた!
http://forestjo.exblog.jp/32675578/
2022-05-18T11:05:00+09:00
2022-08-01T13:34:40+09:00
2022-05-18T11:05:01+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
マツダは2019年5月に発売された「MAZDA3」(元、アクセラ)から、車名を順次世界統一名称に変更しており、「MAZDA2」(元、デミオ)や「MAZDA6」(アテンザ)をはじめ、2012-2013 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したSUV「CX-5」や、ライトウェイト・スポーツ&オープンカーの「ロードスター」などが人気です。 コメントでは「マツダは国産自動車メーカーの中では中小企業のような存在ですが、それだけに思想があり、一貫していると思う」「車のコンセプトも好きですが、企業としての歴史、広島とのつながりなども奥深い」といった声が寄せられていました。]]>
No.2102 「悪い円安」とブランド
http://forestjo.exblog.jp/32661025/
2022-05-02T06:25:00+09:00
2022-05-02T09:33:01+09:00
2022-05-01T17:56:21+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
その円安の原因として、日米の中央銀行の真逆の金融政策ー米国の中央銀行の緩和手じまい(金利上げ)と日本銀行の緩和継続(超低金利維持)、その金利差がドル円で円安を促進する、これが一番の原因だと言われている。
しかし円はドルに対してだけでなく、ほぼすべての外貨に対しても激しく下落している。そんなところから「悪い円安」あるいは「日本売り」といったことまで言われ始めている。日本の経済、国力そのものの低下がより根底的な理由ではないかという説だ。
私も、このブログの「ブランド」にかかわるカテゴリーの記事(「ブランド」というもの : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp))で日本の経済力の低下を「ブランド」との関わりで取り上げたことがある。GDPの停滞、賃金の伸び悩み、要は日本の稼ぐ力の低落の根本原因が日本企業のブランド力の弱さだという考えだ。
それに関して日銀ウォッチャーの第一人者といわれる加藤出氏の著書『日銀、出口なしー異次元緩和の次に来る危機』(2014 朝日新書)の一節を引用させていただいた。私は、今日の事態を予見した慧眼の書だと思っている。
主張の中心は、異次元金融緩和だけでは日本の経済は強くならない(だけでなく、異次元緩和は後々巨大なツケを払わなければならなくなる?というのが同書の中心テーマ)、やはり強くするためには成長戦略、構造改革が必要との指摘であるが、その中心の一つが日本企業のブランディング(ブランド作り)の必要性だという。
再引用してみよう(青字は引用部分)。「かつてアップルのスティーブ・ジョブズは『収益向上にとって必要なのはコストカットではない。イノベーションだ』と述べていた。しかし、それには独創性、企画の実現を阻む障害を突破する行動力が必要になる。
しかし、日本企業は新興国企業との競争をコストカットで乗り切ろうとした。多くの大企業が右ならえでそれを行うと、関連会社も含め賃金が抑制され、全体として消費は緩やかに悪化し、一段と企業収益を圧迫するという悪循環が起きてきた」(p51~52) 技術開発、組織改革といった企(起)業家精神的なイノベーションではなく、人件費を中心とするコストカットだけにまい進した。「失われた20年」の日本のデフレ状況の最も大きな原因の一つは、そこにあった。「一方、欧米には、新興国の製品との価格競争に拘泥することを避けるため、ブランディングに積極的に投資して、利幅が厚い製品を売り続けている企業が多い。それには長期的なマーケティングが必要だが、新興国の消費市場で観察していると、多くの日本企業はそれに経営資源を割いていないことが明確に感じられる」(p52) 「ブランド」に対して差別性のない商品を「コモディティ(日用品)」というが、日本製品の多くがコモディティ化してしまった。 その結果は明瞭に現れている。
まだまだ国際的にも競争力が強いといわれるクルマメーカーでさえ、例えば2014年度の台当たり利益ではドイツ勢との大きな差が出ている。BMW60万円、ダイムラー59.5万円、それに対して日本勢ではトヨタ25.2万円、ホンダ19.4万円、日産は11.1万円。
腕時計でも、かつての日本のデジタル時計は今やその面影もなく、スイス高級時計の天下となっている。スイス時計の「らしさ」を守るために2013年には国会で「スイスらしさ法」が可決されたという。国を挙げてのスイス製品のブランディングの議論が真剣に行われている。
2013年の営業利益率にも、それが表れている。リシュモン(カルティエ、ピアジュなど多くの高級ブランドを傘下に持つ)は23%、バーバリーは19%、スウォッチ(オメガ、ロンジンなど高級時計ブランドを傘下に持つ)27%、エステーローダー(化粧品)は15%、BMWは11%、それに対して日本勢は、トヨタ6%、資生堂7%、セイコー5%、ソニーはマイナス3%(p253~254)。
「(人口減少などもあり国内市場の拡大が望めないなかで)海外市場の開拓が日本企業の成長ドライバーとなっている今日、グローバルに通用するブランドづくりは喫緊の課題」(p250)
「新興国の製品との価格競争と一線を画すためにも、日本らしい誠実さを醸し出すブランドを構築しながら日本企業は収益力を高めていくべきだろう。そうしないと、持続的な賃金上昇の実現は難しくなってしまう」(p255)
そうした中で、またまた私の元会社の「ブランド」について嬉しい記事に出会った。自動車雑誌「ベストカー」のウェブ記事だ(赤い字が引用部分)。
「乗っているクルマ、乗りたいクルマ」に関する質問で、20代、30代、40代、50代男性の回答すべてにテスラやベンツ、BMWなどと並んでマツダが入っているのだ。 マツダのブランドイメージがテスラや欧州御三家、レクサスなどと並ぶところまで上がってきているということ。地道に続けてきた マツダのブランドイメージ向上策が成果を出していることの、ひとつの証明と言えるだろう。
ロータリースポーツはあるものの、どこか垢抜けなかった(失礼!)昔のマツダ。その頃を知る者として感慨深いのが、近年のマツダのイメージがガラリと変わってきていることだ。
なぜ今、マツダのブランドイメージが大きく上がっているのかを検証する。
「10年後を見据えて開発、生産領域が議論を始め、それが販売やマーケティングに波及しました。それまでも目標は立てていましたが、全社で共有できていなかった。でも、これを機に『お客様を笑顔にするにはどうするべきか』を会社全体で考えるようになって、クルマ作りが変わったんです」
2006年に策定されたこの計画が、マツダの新たなコーポレートビジョンとして公表されたのは実に9年後の2015年。その間にマツダは同じ目標に向かう集団に変貌を遂げていたのである。
そのひとつの成果が米国コンシューマーレポート誌の高評価だ。2021年の「自動車ブランド別総合ランキング」で世界の競合メーカーを退け、初の1位を獲得したのだ。
これからは今のマツダしか知らない世代がユーザーの中心層になっていく。世界のプレミアムブランドにも劣らないブランドイメージを持つマツダを「意外」ではなく「当然」と感じる世代だ。その層に対応した次の10年、15年を見据えた計画が進んでいるに違いない。
マツダのブランドイメージ向上には、きちんとした計画に基づいた細かい戦略がある。SKYACTIVの開発とともに「ブランド価値向上」を経営目標に掲げた取り組みを続けてきた。
まず「ブランドイメージ」とは何かを定義しておかないといけない。抽象的な言葉で難しそうだが、実は指標はわりと簡単で「下取り価格」そのものなのだ。
ブランドイメージが低いとどうなるかを考えてみるのが手っ取り早い。 「商品・サービスに魅力がない」→「新車が正価で売れない」→「在庫がダブつくか生産設備の稼働率が落ちる」→「苦しくなって値引き販売」→「新車の値引き影響で中古車価格が崩壊」→「下取り価格が悪化」→「ユーザーの買い換え原資の不足で新車販売が悪化」→最初にもどる─という負のループにハマる。
マツダ地獄と言われた頃はまさにこういう状況だった。
では、その元凶とも言える値引きはどうして発生するのか?言うまでもないが、モデルチェンジやマイナーチェンジの時に最も値引きが発生しやすい。間もなく旧型になるモデルを売るには値引きが必要になる。
かと言ってモデルチェンジをせずにいつまでも旧型車両を売ればこれも当然値引きで勝負するしかなくなるのだ。
となれば、商品鮮度を落とさないように頻繁に改良をするしかない。マツダは2015年から、マイナーチェンジを廃止。毎年年次改良を加えることにした。その代わり見た目でハッキリわかるような外観の変更を取りやめたのである。
見た目が変わると、いわゆる前期型、後期型で中古車価格に差が出る。従来は外観を変えることで新車効果を期待し、販売のテコ入れのために外観変更を行ってきたのだが、マツダは「お客様のためにならない」と明言して、この「メーカー都合のマイナーチェンジ」をすっぱりやめた。(中略)
こうして頻繁に商品改良を加え、大きな変化ポイントを設けないことで、モデルライフを通したクルマの価値を安定させたのである。
おそらく最初はやせ我慢だった マツダのブランド価値販売戦略は、全社を挙げた総力戦である。新車販売では、残価設定クレジットで3年後の買い取り価格55%を保証し、さらに市場の動向によっては、それ以上で買い戻す。 おそらく最初はかなりのやせ我慢だったのだろう。業界標準は保証なしの50%なのだが、それを5%上回る額で保証して、市場価格の高値維持を徹底した。
ブランド価値が崩れればマツダにとっては大損になるが、メーカー自身が信じられない将来価値を客に信じろというほうが無理だ。2年前に取材した時、この55%保証の例外となったのは、極端な過走行のDE型デミオ1例だけ。実績ベースの買取平均価格は実に65%に達したというからスゴい。
高値で下取れば、顧客の買い換え原資は増える。実例として、CX-5のモデルチェンジでは、旧型から新型への買い換えで、より高いグレードへの移行が多く見られたという。
もちろん高く下取りするためには、ほかにも仕掛けが必要だ。それがメンテナンスパックだ。パックの適用期間の点検整備には基本費用が発生しない。例外となるのは、タイヤとブレーキパッドの摩耗による消耗品交換くらいだ。
もちろん主目的はクルマの状態を良好に保つことだが、費用負担のないメンテナンスパックで、整備記録簿がしっかり記載されることで、やがて下取った時に筋のよい中古車になる。
また、中古車は地域によって売価が変わる。東京・名古屋・大阪などの大都市では供給は過剰になりがちで、売値が厳しいが、地方では供給不足で比較的高値が付く。マツダはWebで在庫の共有化を図ることで、より高値が付くエリアに中古車を厚く供給するシステムを作り上げたのである。
もうひとつ面白いのは保険だ。マツダは「スカイプラス」という自動車保険を販売しているが、年一度最大6万円(免責2万円)までのボディリペアが付いてくる。期限内に使わないと権利が消えるので、ユーザーは、そのタイミングでちょっとした擦り傷を直す気になる。
当然査定のマイナスの回避になるし、街を走るマツダ車の外観がキレイなことはブランドイメージの向上にもつながる。ユーザー自身が価値を維持しやすい環境を整えることによって「クルマの価値」を維持しているのだ。
さて、もうひとつポイントを加えておこう。クルマがよくなり、下取り価格が維持されたとしても、販売店店舗のイメージが悪ければ、ブランド価値は向上しない。だからマツダは、店舗のデザインを一新した。いわゆる「黒マツダ」である。商品イメージにふさわしい店舗は重要なファクターである。
マツダに関わるすべての人を幸せに。
マツダがこれだけ広範囲な戦略を立てて遂行することができた理由はどこにあるのだろう?それについて、マツダの戦略を説明してくれた役員はこう言った。
「具体的には、お客様にとっても、販売会社にとっても、マツダ本社の人間に関しても、マツダに関わるすべての人が幸せになるためにどうしたらいいのか、をずっと考えてきたんです。そういう活動で、みんながひとつになれたのかなぁと思っております。
それによって各部門が目指しているゴールがひとつになって、保険をやっている部門、中古車部門、サービス部門、そういういろんな部門が、本当にマツダのリセールバリューを高めるために、それぞれの領域で何をやっていくのかを考えてくれました。
もちろんトップダウンで方向性は示しましたが、みんなが『そうだよね。今までのマツダから変わらないとダメだよね』と、一人ひとりがそこを理解して動いてくれたということなんです」。
これらの改革により、マツダ車のブランドイメージは向上。企画、開発、生産、販売、そして販売後のサービスと、すべての領域が大きくレベルアップしたのである。
2006年に始まった企業改革で、マツダは目先の利益ではなく先を見据えて階段を上がっていく会社になった。実に15年の歳月をかけて、コツコツとブランドイメージを向上させてきたのである。
OBとしての身贔屓ではなく、また「ブランド」に関心を持ち、ブランド本ー『解釈主義的ブランド論』(白桃書房 2003)をモノした私にも、このところのマツダブランドの変身の様は凄い。
もう遅いかもしれないが、他の日本企業もすべからくマツダの真似をすることだ。日本を救う最善の道がそこにある。
]]>
No.2085 マツダ・ブランドに嬉しい記事
http://forestjo.exblog.jp/32519887/
2021-12-13T13:00:00+09:00
2021-12-13T20:29:11+09:00
2021-12-13T13:00:08+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
久しぶりで、うれしいニュースに出会った。AUTOCAR JAPANという雑誌のオンライン記事
北米にマツダブーム到来? 過去最高の月販のワケ 北米で「マツダ」どう思われてる?(AUTOCAR JAPAN) - Yahoo!ニュース
ライターによると、最近アメリカをクルマで走っているとマツダ車の数が明らかに増えていることを感じるという。
それもそのはず、「2020年はほぼすべてのメーカーがアメリカ市場において前年割れのとなりましたが、テスラ(+14.9%)、アルファロメオ(+1.6%)、マツダ(0.2%)の3ブランドだけが前年プラスとなっています」「また2021年5月に販売台数4万2187台と過去最高の販売台数となりました」
「年齢を問わず野心的で自分の持つ道具にこだわりがある新しいオーナー層が、これまで保有していた欧州などのプレミアムブランドから徐々にマツダを選び始めています」
「マツダ車を選ぶ理由としては、洗練されたデザインと走りといった世界共通のマツダ車の高評価に加え、パワフルな走りやAWDの走破性、優れた安全性能などが、・・・・徐々に高評価を得られています」
もちろん、以前このブログでも取り上げたコンシューマー・レポート誌のこの記事も大きな後押しをしてくれているのかもしれません。
No.2035 世界の自動車ブランドでマツダが信頼性No.1 コンシューマー・レポート誌 : 森林インストラクター・環境カウンセラー 豊島襄の『林住日記』(旧題:フィールド・ノート) (exblog.jp)
OBとして、今日の富士山のような晴れ晴れとした気持ちです。
]]>
No.2045 またまた、マツダが世界自動車ブランドの総合評価でトップ
http://forestjo.exblog.jp/32153536/
2021-02-19T09:12:00+09:00
2021-02-19T09:35:16+09:00
2021-02-19T09:12:48+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
(ブルームバーグ): 米消費者情報専門誌「コンシューマー・リポート」がまとめた自動車メーカーの信頼性年間ランキングは、テスラが順位を5つ下げた一方、マツダが初の首位となった。(中略)© Bloomberg Consumer Reports' Best Auto Brands自動車ブランド年間ランキング出所:コンシューマー・リポート誌 マツダは順位を3つ上げ、トップの座をポルシェから奪った。フィッシャー氏は 「マツダは非常に走りの良いとても魅力的な車を出している」と評価した。]]>
No.2036 「瀬戸の晴れ姫」がTVで紹介されました。
http://forestjo.exblog.jp/32038613/
2020-12-05T10:00:00+09:00
2020-12-21T08:28:20+09:00
2020-12-05T10:00:08+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
しまなみ育ち「瀬戸の晴れ姫」はJAおちいまばりさんのブランドですが、その産地の中心は今治市大三島町です。その産地からの現地中継です。
言うまでもなく大三島はしまなみ海道の島。
手前が大三島、橋の向こうはもう広島県です。
TV中継のみかん園からもしまなみ海道が見える。 案内者は、ラッシャー板前さん。瀬戸の晴れ姫を試食する。
燦々の太陽、瀬戸内の潮風を浴びてたわわに実る匠農家のはれひめ
瀬戸の晴れ姫を皮ごと搗き込んだお餅、スイーツ、料理なども紹介されました。 あっぱれ、うまい。香りオレンジ風な、明るいおいしさ。しまなみ育ちの愛媛みかん 瀬戸の晴れ姫。
]]>
No.2035 世界の自動車ブランドでマツダが信頼性No.1 コンシューマー・レポート誌
http://forestjo.exblog.jp/31971903/
2020-11-23T09:57:00+09:00
2020-12-21T08:25:01+09:00
2020-11-23T09:57:02+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
]]>
No.2015 年寄りとクルマー安全を買う
http://forestjo.exblog.jp/31249888/
2020-06-29T08:44:00+09:00
2020-06-30T21:06:15+09:00
2020-06-29T08:44:29+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
それはそれとして、歳をとってからの運転は怖い。このところ老人のクルマ事故がニュースにならない日はない。
そして私のクルマも7月31日で7年目の車検。7年前のクルマなのでペダル踏み間違い防止などの装置は何も付いていない。
そういえばコロナ交付金で夫婦二人で20万円、しかもクルマ購入者が65歳以上で一定の安全装置の付いたクルマの購入だと10万円の助成金が出るという。
その上に私はマツダOBだから労働組合などからの助成で15万円のオプションがただで付く。
これだけで45万円のお金が浮く。今後の老人夫婦のクルマ運転の安全代だと思って安全装置付きの新車を買うか?
さっそくディーラーにクルマを見に行く。
今後は家内にも、より運転をしてもらう? 小さいクルマでいいか?
このブログにも何度か書いているが、最近の我が元会社マツダのクルマ創り、ブランド戦略には賛同しきり、先輩として誇りを感じている。
お目当ては、マツダ2(旧:デミオ)あたり。
もちろん注目点は、安全装置。いまのマツダ車には最低グレードから踏み間違い防止、衝突防止などの基本装置は標準装備している。
しかし良く見ていると、その他の衝突防止、レーンキープ・アシスト、クルーズ・コントロール、360°ビューモニターなども欲しくなってくる。最近のマツダ車の安全装置も評判はいいようだ。
「安全がお金で買えるなら、それでもいいか」ということで、フル安全装備付き車(最高グレード車ということではない)を選択しました。歳をとっての交通事故は何としても起こしたくないものだ。
]]>
ちょっと褒められ過ぎ?
http://forestjo.exblog.jp/30435150/
2019-02-26T16:23:00+09:00
2019-03-03T19:20:09+09:00
2019-02-26T16:23:20+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
ちょっと褒められ過ぎ?
]]>
マツダがBMWを超える日ー補追
http://forestjo.exblog.jp/30412077/
2019-02-13T08:04:00+09:00
2019-02-13T08:25:18+09:00
2019-02-13T08:04:46+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
本の表紙の帯に、本の主張がよくまとめられていたので紹介。
「日本のプロダクトは、高品質で世界に誇れるものである。世界中の人から誇りを持って日本製品が選ばれるようになることを祈らずにはいられない。レクサスやグランドセイコーにはそのポテンシャルがあると思う。不足しているのは、長期的なビジョンに立った経営的視点のブランド戦略なのである。それがないから優れた製品を出してもブランド資産として定着していかない。ブランドに説得力がなく、時とともにぶれてしまうので永続的な独自性が生まれず、結果として真のロイヤリストが育たないのだ。
そう、長期的なブランドを核とした戦略の有無こそが、欧州プレミアムブランドととの大きな差を生んでいる要因なのである。彼らは自分たちが何者で、何が存在意義なのかをいつでも真剣に考えている。時代が変わっても、それに合わせて自らの価値をいかに永続させるかに大変な努力をしている。その方策を一番真剣に考えているのが経営トップだ。
この課題を解決しない限り、永遠に欧州プレミアムブランドに追いつくことはできない。これはこの国のイメージに関しても、個々のブランドに関しても共通する日本の問題であると考える」
著者の山崎氏は、BMWのマーケティングに関わるようになって、それまでの日本流?マーケティングにまとわりついていた「目の鱗」(https://forestjo.exblog.jp/29266574/)が落ちたという。
「BMWのブランド世界にどっぷり浸かることになるが、そのブランドに対する筋の通った考え方、すべてのステークホルダーにブランド理念を徹底的に浸透させる方法など、目から鱗が”何枚も”落ちることとなった。欧州ブランドの強さの源泉に心底から感じ入ることとなったのである」(「はじめに」)
]]>
No.1524 マツダがBMWを超える日
http://forestjo.exblog.jp/30409681/
2019-02-11T20:08:00+09:00
2019-02-24T19:59:41+09:00
2019-02-11T20:08:37+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
ほぼ100%賛同する内容であった。山崎明著「マツダがBMWを超える日」(講談社+アルファ新書)
著者は、日本車、海外車を問わず数多くのクルマ・マーケティングに関わって来ており、また自身、生粋のカーマニアであり、ドイツ車を中心に30台近くを乗り継いできたという。 以下、共感した部分を触れてみる。
マツダのブランド戦略について(https://forestjo.exblog.jp/30167918/)
「マツダから新しく発売される新型車は、どれも一目でマツダとわかるデザインを持つと同時に、コンセプトも筋が通っており、新型車の内外装のクオリティも急速に高まっていました。(中略)日本のブランドでも、きちんと設計してきちんと管理すれば絶対に欧州ブランドと同じようなポジションを得ることができる、とマツダを見て、感じて確信したのです。
私は思い切ってポルシェに乗ることをやめ(911カレラ→マツダ・ロードスター)、じっくりとマツダと付き合ってみることにしました。(中略)今では愛着も深まり、ポルシェに戻りたいという気持ちはほとんどありません。もはやマツダが世界でももっともシンパシーを感じる自動車ブランドといっても過言ではありません。マツダには、真の意味でのプレミアム・ブランドに育ってもらいたいと思っています」(あとがき)
前回の記事で触れた「ブランドを作るには市場調査をしてはならない」ということについて(https://forestjo.exblog.jp/30394066/)
「BMWはもちろん客を大切にするが、客に媚びるようなこと基本的にしない。客の言うことに耳を傾けることはあるが、それに素直に従うことはあまりしない。BMWはユーザーに意見を聞くような調査を最低限しか行っておらず、調査好きのトヨタとは対照的である。
この理由は、BMWの価値を作っているのはBMWであって客ではない、という信念からである。(中略)これはBMWに限らず、強いブランドに共通の特徴である。なぜなら、さまざまな客の意見を聞くとどうしても最大公約数になってしまい、結果的に個性に乏しい製品となり、ブランドの個性を失うことになりかねないからだ。ブランドの個性が失われれば、そのブランドを選ぶ理由も失われる」(P62 )
私が前回の記事でふれたソニーの盛田昭夫、ホンダの本田宗一郎と同じ洞察、認識だ。
※蛇足ながら、ここでいう「調査」とは消費者にニーズ・ウォンツを聞く市場調査のこと。自社のイメージ資産など実態調査はさにあらず。
日本経済といった大局から見ても、企業のブランド作りが、喫緊の課題だという認識について(https://forestjo.exblog.jp/28126797/)
「日本ブランドも、価格競争力が維持できる分野は少なくなっていくと考えられ、欧州プレミアムブランドのような『高価格でも喜んで買ってもらえる』というブランドに変化させていかないと、どんどん厳しくなるだろう。そのためには欧州ブランドのように長期的なブランド育成を見据えたブランド構築戦略が是が非でも必要であり、ブランド構築までにかかる時間を考えると『待ったなし』といってもいいのではないだろうか」(P166)
日本企業のブランド下手について(https://forestjo.exblog.jp/30015252/)
「従来、日本ブランドは価格競争力と高品質で勝負し続けてきた。そのため、明確なブランドアイデンティティを持つものが少なく、実際にあったとしても非常に曖昧模糊。取りようによってはどうにでも解釈できるようなものが多かった。(中略)
その理由は、ブランド戦略がトップマネージメントではなく、マーケティング部署の片隅で考えられているケースが多いからだと考えられる。商品は商品開発部門が開発し、結果的にできてしまった製品に対してブランド戦略は後付けの辻褄合わせのような形で作られているように見受けられるのだ。(中略)プレミアムブランドにおいて、ブランドアイデンティティは製品開発からターゲット戦略、流通戦略、価格戦略、コミュニケーション戦略などのすべての根幹をなすものであり、その確立は経営上の最重要課題なのである」(P166~168「ブランドとは経営そのものである」)
「日本ブランド」作りについて(https://forestjo.exblog.jp/28126797/)
以前このブログでも、スイス時計ブランドの戦略において国が法律で「スイスらしさ」とは何かを決めて取り組んでいるとの話に触れたが、この本でも「日本ブランド」のプレミアム化の必要性を主張している。日本の製品には「高品質」というイメージはある。しかし「私が欲しいのはこれだ」という個性、エモーショナル、テイストを強く持つブランドは少ない。一方では日本には「日本の匠」「 おもてなし」「ZEN(禅)」といった既に評価を得ている文化イメージがある。
「欧州製品ではなく日本製品が積極的に選ばれるようになるには、『自分は欧州製品より日本製品が好き』と思ってもらえるエモーショナルな価値を作っていかなければならない。
高品質をベースにしながら、日本ならではのデザイン、もの作りの思想などもある程度ベクトルを揃える必要がある」(P208)
「研ぎ澄まされたミニマルな 美しさと圧倒的な高品質感(ZEN+TAKUMI)。これこそが海外の人々が日本の高級製品に期待していることではないだろうか」(P211)
この点について、やや余談。
山崎氏は、マツダデザインについて次のように書く。
「マツダが2017年の東京モーターショーで参考出品したコンセプトカー『ヴィジョン・クーペ』のデザインコンセプトは、これまでの魂動(こどう)デザインを発展させて、『引き算の美学』により、さらに無駄を削ぎ落とした『凛』としてきた。ミニマルでシンプルな面ながら光の当たり方で刻々と表情が変わり、いつまで見ていても飽きないデザインとなっていた。まさにZENの世界でドイツやイギリスの高級車とは明らかに異なる独自の高級車像を実現していたと思う」(210~211)
これが、今年発売予定のMazda3(日本名:アクセラ)のデザインに引き継がれているという(https://forestjo.exblog.jp/30394066/)
もう一つ面白い主張をしている。
「そして日本発の、欧州のものとは異なる世界観のプレミアムを目指すのであれば、ネーミングは日本由来のものであるべきだと考える」(P213)
私は若いころクルマのネーミング事務局を担当していたことがある。その時、日本名ネーミングをいくつか商標登録したことがある。実際のネーミングに採用はされなかったが…。日本のクルマ関係のネーミングで日本語由来のものは「スバル=昴」だけだ。
世界の自動車王国は、いまのところやはりドイツと日本だと言っていいだろう。両国に共通する「まじめで勤勉な」民族気質がクルマ作りに合っているのかもしれない。
しかし、ドイツ車には強力なプレミアムブランド(ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディ、etc)が多いのに対し、日本車にはどうしてそれが少ないのだろう。トヨタが渾身で作り出したプレミアムブランド「レクサス」もいま一つの展開となっている。
私は、このブログでも何度か言ってきたように、そこにはアメリカ流の「マーケティング思想」=「消費者志向」があるのではないかと疑っている。 消費者志向=調査による消費者ニーズへの「適応」は横並びマーケティングや、時代の変遷につられる右往左往を招きやすい。ブランドは単なる「適応」ではなく、「主張、創造、個性、持続」だ。
マーケティング学はアメリカで発達してきたが、欧州では、それには簡単に毒されなかった?
アメリカ製品にはマスブランドは多くともプレミアムブランドは少ない。
そういえば、日本のクルママーケティングの黎明期を引っ張ってきた「販売の神様」トヨタ自販社長の故神谷正太郎氏は、アメリカGMのマーケティングで育ってきた人であったことも思い出される。
今日の霊峰富士
最高級車には「FUJI]といったネーミングはどうだろう?
]]>
No.1522 マツダ車デザイン大絶賛ー連戦連勝の理由
http://forestjo.exblog.jp/30394066/
2019-02-02T10:12:00+09:00
2019-02-24T19:58:44+09:00
2019-02-02T10:12:15+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
今年発売されるMazda3(日本名:アクセラ)が昨年11月のロサンジェルス・モーターショーでお披露目され、そのデザインでも大きな話題になっているようだ。しかもここ数年のマツダ車はメカもさることながらデザインが概ね好評価のようだ。いわゆる「マツダ・デザイン」。
ニューMazda3(日本名:アクセラ)(マツダHPより)
一般にマーケティングとは、「消費者のニーズ・ウォンツを市場調査で調べ、それに適応する商品を提供していく」がセオリーだと言われている。いわゆる「消費者志向」だ。
このセオリーがまったく間違っている。他社の真似をしてコバンザメ商法で刹那的に儲けるというのならいざ知らず、ブランドを育て、過当競争に巻き込まれず高い収益率で息長く独自の地位を築いていくには調査をしてはならない。
何度か触れたが(https://forestjo.exblog.jp/28126797/)、私が「解釈主義的ブランド論」という小難しい本を書いたのもその一点を言いたかったからだ。
それを本当に解ってもらうには拙著を読んでいただくほかはないが、結論からいえば市場調査で消費者が答えるニーズ・ウォンツはその時点ですでに顕在化しているもの(どこかに成功商品があり、消費者はそれを見て「私も、あんなのが欲しい」)であり、それでは後追い・人真似になる。それでブランドの独自の主張が出てくるはずはない。
これは、神戸大学の石井淳蔵元教授、栗木契教授、大阪市立大学の石原武政名誉教授などに源を発する新しいマーケティング観につながっている。
日本企業のブランド・マーケティング下手、類似商品による過当競争の原因を、私もこの間違った「消費者志向」のマーケティング観に見ているのだが、しかしその間違いを洞察・看破していた優れた経営者が日本の戦後にもいた。日本の戦後の世界ブランドの雄であった、「ソニー」の盛田昭夫と「ホンダ」の本田宗一郎である。
「わが社のポリシーは、消費者がどんな商品を望んでいるかを調査して、それに合わせて製品を作るのではなく、新しい製品を作ることによって彼らをリードすることにある。消費者はどんな製品が技術的に可能かを知らないが、われわれはそれを知っている。だからわれわれは、市場調査などにはあまり労力を費やさず、新しい製品とその用途についてあらゆる可能性を検討し、消費者とのコミュニケーションを通じてそのことを教え、市場を開拓していくことを考えている」盛田 1987年)
「なぜ物をつくる専門家が、シロウトの大衆に聞かなければならないのだろう。それでは専門家とはいえない。どんなのがいいか大衆に聞けば、これは古いことになってしまう。(中略)大衆の意表に出ることが、発明、創造、ニューデザインだ。それを間違えて新しいものをつくるときアンケートをとるから、たいてい総花的なものになる。ほかのメーカーの後ばかり追うことになるのだ」(本田 1993年)
盛田昭夫、本田宗一郎亡き後、両社にその洞察・気概が息づいているのだろうか?
さて本題に帰るが、上記の記事によればマツダ車のデザインのが良くなった切っ掛けが、まさに「デザインクリニックの廃止」だったという。
「デザインクリニックとは、事前にさまざまなユーザーにデザイン案を見せ、評価してもらうこと。ユーザーの反応を見ることで、ハズレをなくす効果がある。 しかし、一般ユーザーに判断をゆだねると、どうしてもデザインが無難になってしまう。デザイナーにすれば、『ユーザーが評価したのだから』という言い訳にもなりやすい」
そのクリニック廃止を決断したのが、今もマツダ車デザインを引っ張る 前田育男氏(常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当)だ。(氏の講演については、https://forestjo.exblog.jp/24703849/)
氏の哲学・信念と感性が、現在の一貫したマツダデザインを引っ張っている。いつまでもマツダのデザインに、ブランドに浸透し、息づいて欲しいものだ。
]]>
No.1502 珍しく二日連続の「きょういく」「きょうよう」
http://forestjo.exblog.jp/30167918/
2018-11-16T19:55:00+09:00
2019-02-05T16:20:52+09:00
2018-11-16T17:25:59+09:00
jo-toyo
ブランド・マーケティング
昨日の「用事」は、元会社「マツダOB会総会」に出席。今日の「行くところ」は「高尾山」。
マツダOB会総会(15日)
型通りの総会が終わった後、マツダの執行役員Uさんから「マツダのブランド戦略」についての素晴らしいプレゼンテーションがありました。
このブログで何度かそのテーマについて触れてきましたが(https://forestjo.exblog.jp/i16/)、今回の講演を聞いても本当に我々OBにとっても嬉しい、誇らしい思いがしました。着実に「マツダ」ブランド構築に向かって王道を進んでいる!
講演の司会をする、森づくり集団「栞」の仲間・OB会副会長のHさん。
講演者は、カスタマーサービス担当、ブランド推進・グローバルマーケティング担当補佐執行役員 Uさん。(詳しい内容はマル秘?事項)
高尾友の会(16日)
小中学の同級生・モー君や高尾近郊に住む山ガールなどで作っている「高尾友の会」、今日は4人で「もみじ祭り」中の高尾山に登ってきました。快晴の小春日和、高尾山は多くの人で賑わっていました。
イチョウの黄葉が陽光に映える京王・高尾山口駅。もう多くの人でごった返しています。
山頂も、この通りの賑い。
下界からは見えていた富士山はガスに隠れてしまい残念。
紅葉は、思っていたより進んでいました。
穴場の紅葉を愛でる仲間たち。モー君はこの日で累計2771日目。今年も300日登山を果たすという。
色づく雑木の山道を行く。
今日の紅葉
山頂付近
最も早くあでやかに紅葉するシラキ。
ヤマボウシが、こんなに紅葉するとは知らなかった。
今日の出会い
アワコガネギク
初お見えです。
こんな時期にも可憐に耐えて咲くリンドウ。
クサギ(実)
もうすぐ白髪を振り乱す?キジョランの実
]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/