「森林」インストラクターのフィールドノートとしては、スイス紀行もやはり、「
森林・樹木」の話題で締めなければならないでしょう。これを含めて「森林・樹木篇」二回。
行く前のイメージより、「ずいぶんと森林の豊かなところだな」が実感です。スイスといえば、森林を切り開き、牧場に変えてしまっている!というイメージでしたが、思ったより、森林が豊か。しかも、いまでは過疎化で放棄された牧場などが森林に返ってきているとか。
これが、一般的な森林の垂直分布。下から
広葉樹林、針広混交林、針葉樹林、森林限界(草原)、荒原。ブリエンツ湖より。
しかし、少しでも平坦に近いところがあれば、森林が切り開かれ、牛が放牧されたのでしょう。スイスの森林率は30%くらいといわれます。
広葉樹林の代表は、
ブナ林。
ブナ
見た目には日本のブナとの違いが解らない。
あまり見かけませんが、こんな
赤いブナもあります。
そのほかの高木では、この
リンデンバウムや下の
カエデ類が混じります。
シューベルトの歌曲「菩提樹」に歌われたのは、このリンデンバウム。スイスでは、公園などでもあらゆるところで見られます。
ちょうど花時です。
しかし、このリンデンバウムが「菩提樹」と訳されたのは誤訳。日本では「
セイヨウシナノキ」として公園などに植えられています。
カエデ 高度があがると、針葉樹林となります。
主な樹種は
ドイツトウヒ。横に出た主枝から小枝が垂れ下がるという特徴があります。
そのほかにモミなどが混じる。
ドイツトウヒの松かさ けっこう林業も盛んなのでしょう。至るところで土場(どば)を見ました。主にブナなどが伐られていましたが、広葉樹は薪(バイオマス燃料)として使われるようです。
スイスの巨樹 左:
糸ヒバのような針葉樹、右:
リンデンバウム インターラーケンにて。
ブナの芽生え。育て大きく何百年の大樹に! ラウターブルンネンにて。