山歩き4日目は、グリンデルワルトからゴンドラで
フィルスト(2168m)に登り、
ファウルホルン(2686m)経由で
ブスアルプ(1792m)に下りるコース。
ユングフラウなど高峰群を背後に前に突き出る三つの山塊のうち、
シルトホルンが一番西、このフ
ァウルホルンが一番東、そして
クライネシャイデックや5日目に行く
メンリッヘンが真ん中です。従って、フィルストやファウルフォルンからは、三山を東から見ることになります。
このコースのハイライトは、ベルナーアルプスの最高峰・
フィンスターアールホルン(4273m)が見られること。三山でいちばん高いユングフラウ(4158m)より、さらに100m以上も高い。
鋭く尖るのが、
フィンスターアールホルン。奥山にあり、あまり姿を見せないから、日本人などにもあまり名を知られていません。
アイガーを東から見ると稜線が剃刀の刃のよう。ミッテルレギ山稜という。1921年、日本の槙有恒が初登攀に成功した。
アイガーとシュレックホルン(4078m)の間の氷河の先端。やはり温暖化で後退しているという。
フィルストから少し上ると、
バッハアルプゼーという池がある。
池に映った逆さ
シュレックホルン。
氷の残る池と花々。
前方の峠から右のファウルホルンに登り、また峠に下りてブスアルプへ。
峠からの三山、アイガー、メンヒ、ユングフラウ
残雪を走る
マーモット:リス科に出会いました。
しかし、私はファウルホルンには登らず、峠近くのお花畑で時間を過ごしました。
下り道の沢筋に群生する
リュウキンカ。
旅のエピソードその3
スイス人の食生活は、本当にシンプル。
主食は、パン(小麦)かジャガイモ、副食は、ほとんどハム、ソーセージなど肉製品か、チーズ、バターなど乳製品、あるいはそれを料理したもの。野菜はあまり食べない。
アルプスを歩いてみて、改めて牧畜の重要性を実感しました。3000m近くの高地まで草を求めて牛を放牧する。春先は低いところ、それから夏に向かって高山に登り、また秋に向かっては下に降りてくる。できるだけ草の育ちのいい、日当りのいい草地を求めての移動放牧。
これは、2000m超で撮った写真。アルプス3名花の一つ・エンチアン(詳しくは、いつか)の横にあるのは石ではありません。牛糞です。昨年の秋の置き土産だと思います(今年はまだ、この高地までは牛も来ていない)。
草が太陽の光エネルギーを光合成で化学エネルギーに変え、それを牛が食べ、その牛の肉や乳製品を人間がいただく。生態系の太陽エネルギー→生産者(植物)→一次消費者(草食動物)→二次消費者のエネルギーの流れが、単純明快。