外来植物=エイリアンといえば、皆さんも一番よく知っている
セイダカアワダチソウ。これは、さいたま市秋が瀬公園近くの荒川堤防です。見事なまでの跋扈ぶりです。
お里のアメリカのどこかの州では州花となっているとかで、なるほど、
その気で見れば、近くで見ても、遠くから写真のような群落で見ても、なかなかきれいな花です。日本でも、最初は栽培種として持ち込まれたようです。
しかし、その旺盛な繁殖力で日本の固有種を駆逐することから、外来生物法で
要注意外来生物に指定されています。
たくさんのタネをつけ、また地下茎でも伸びていく、この両刀使いが繁殖力の秘密の一つですが、それ以外にも、恐ろしい秘密が明らかにされました。
アレロパシー(他感作用物質)といって、他の植物の発芽や生長を阻害する化学物質を、まわりに撒き散らしながらはびこっていくのです。
この恐ろしいエイリアンぶりや、一時は花粉症の犯人とされ、嫌われたのですが、花粉症の犯人説は濡れ衣だったようです。この花は虫媒花なので花粉をあまり飛ばさないからです。
しかし、自然のしくみは奥深い。
それほど恐れるに足らない、とも言われ始めました。そのアレロパシーは、最初は、他の植物を駆逐するのですが、一面セイダカアワダチソウになって何年かすると、彼ら自身がそのアレロパシーの
自家中毒(嫌地現象)によって衰えていくというのです。最終的には、また日本の固有種にとって代わられるというのです。
この情景は、その途中相かもしれません。日本の固有種・ススキが闘っています。
要は、パイオニア・プランツなのでしょう。更地ができれば、最初にまずはびこり、やがて消えていく、いわゆる先駆植物なのかもしれません。
今後、何年か、私は、この場所でその経緯を観察してみようと思っています。
しかし、安心してはいけません。日本固有種の同じパイオニア・プランツを駆逐してしまう恐れがあります。
栽培種を持ち込むにももっと慎重でなければなりません。このセイダカアワダチソウばかりでなく、栽培種が逸出してエイリアンとなっているものが数多くあります。ハルジオン、ヒメジオンなどもそうです。