前回の記事の補追
本の表紙の帯に、本の主張がよくまとめられていたので紹介。
「日本のプロダクトは、高品質で世界に誇れるものである。世界中の人から誇りを持って日本製品が選ばれるようになることを祈らずにはいられない。レクサスやグランドセイコーにはそのポテンシャルがあると思う。不足しているのは、長期的なビジョンに立った経営的視点のブランド戦略なのである。それがないから優れた製品を出してもブランド資産として定着していかない。ブランドに説得力がなく、時とともにぶれてしまうので永続的な独自性が生まれず、結果として真のロイヤリストが育たないのだ。
そう、長期的なブランドを核とした戦略の有無こそが、欧州プレミアムブランドととの大きな差を生んでいる要因なのである。彼らは自分たちが何者で、何が存在意義なのかをいつでも真剣に考えている。時代が変わっても、それに合わせて自らの価値をいかに永続させるかに大変な努力をしている。その方策を一番真剣に考えているのが経営トップだ。
この課題を解決しない限り、永遠に欧州プレミアムブランドに追いつくことはできない。これはこの国のイメージに関しても、個々のブランドに関しても共通する日本の問題であると考える」
著者の山崎氏は、BMWのマーケティングに関わるようになって、それまでの日本流?マーケティングにまとわりついていた「目の鱗」(
https://forestjo.exblog.jp/29266574/)が落ちたという。
「BMWのブランド世界にどっぷり浸かることになるが、そのブランドに対する筋の通った考え方、すべてのステークホルダーにブランド理念を徹底的に浸透させる方法など、目から鱗が”何枚も”落ちることとなった。欧州ブランドの強さの源泉に心底から感じ入ることとなったのである」(「はじめに」)