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2019年 02月 11日
このブログで話してきたブランド・ネタ(https://forestjo.exblog.jp/i16/)に関わる本があると元会社同期生のN君が教えてくれたので、さっそく買って読んだ。
ほぼ100%賛同する内容であった。山崎明著「マツダがBMWを超える日」(講談社+アルファ新書) 著者は、日本車、海外車を問わず数多くのクルマ・マーケティングに関わって来ており、また自身、生粋のカーマニアであり、ドイツ車を中心に30台近くを乗り継いできたという。 以下、共感した部分を触れてみる。 マツダのブランド戦略について(https://forestjo.exblog.jp/30167918/) 「マツダから新しく発売される新型車は、どれも一目でマツダとわかるデザインを持つと同時に、コンセプトも筋が通っており、新型車の内外装のクオリティも急速に高まっていました。(中略)日本のブランドでも、きちんと設計してきちんと管理すれば絶対に欧州ブランドと同じようなポジションを得ることができる、とマツダを見て、感じて確信したのです。 私は思い切ってポルシェに乗ることをやめ(911カレラ→マツダ・ロードスター)、じっくりとマツダと付き合ってみることにしました。(中略)今では愛着も深まり、ポルシェに戻りたいという気持ちはほとんどありません。もはやマツダが世界でももっともシンパシーを感じる自動車ブランドといっても過言ではありません。マツダには、真の意味でのプレミアム・ブランドに育ってもらいたいと思っています」(あとがき) 前回の記事で触れた「ブランドを作るには市場調査をしてはならない」ということについて(https://forestjo.exblog.jp/30394066/) 「BMWはもちろん客を大切にするが、客に媚びるようなこと基本的にしない。客の言うことに耳を傾けることはあるが、それに素直に従うことはあまりしない。BMWはユーザーに意見を聞くような調査を最低限しか行っておらず、調査好きのトヨタとは対照的である。 この理由は、BMWの価値を作っているのはBMWであって客ではない、という信念からである。(中略)これはBMWに限らず、強いブランドに共通の特徴である。なぜなら、さまざまな客の意見を聞くとどうしても最大公約数になってしまい、結果的に個性に乏しい製品となり、ブランドの個性を失うことになりかねないからだ。ブランドの個性が失われれば、そのブランドを選ぶ理由も失われる」(P62 ) 私が前回の記事でふれたソニーの盛田昭夫、ホンダの本田宗一郎と同じ洞察、認識だ。 ※蛇足ながら、ここでいう「調査」とは消費者にニーズ・ウォンツを聞く市場調査のこと。自社のイメージ資産など実態調査はさにあらず。 日本経済といった大局から見ても、企業のブランド作りが、喫緊の課題だという認識について(https://forestjo.exblog.jp/28126797/) 「日本ブランドも、価格競争力が維持できる分野は少なくなっていくと考えられ、欧州プレミアムブランドのような『高価格でも喜んで買ってもらえる』というブランドに変化させていかないと、どんどん厳しくなるだろう。そのためには欧州ブランドのように長期的なブランド育成を見据えたブランド構築戦略が是が非でも必要であり、ブランド構築までにかかる時間を考えると『待ったなし』といってもいいのではないだろうか」(P166) 日本企業のブランド下手について(https://forestjo.exblog.jp/30015252/) 「従来、日本ブランドは価格競争力と高品質で勝負し続けてきた。そのため、明確なブランドアイデンティティを持つものが少なく、実際にあったとしても非常に曖昧模糊。取りようによってはどうにでも解釈できるようなものが多かった。(中略) その理由は、ブランド戦略がトップマネージメントではなく、マーケティング部署の片隅で考えられているケースが多いからだと考えられる。商品は商品開発部門が開発し、結果的にできてしまった製品に対してブランド戦略は後付けの辻褄合わせのような形で作られているように見受けられるのだ。(中略)プレミアムブランドにおいて、ブランドアイデンティティは製品開発からターゲット戦略、流通戦略、価格戦略、コミュニケーション戦略などのすべての根幹をなすものであり、その確立は経営上の最重要課題なのである」(P166~168「ブランドとは経営そのものである」) 「日本ブランド」作りについて(https://forestjo.exblog.jp/28126797/) 以前このブログでも、スイス時計ブランドの戦略において国が法律で「スイスらしさ」とは何かを決めて取り組んでいるとの話に触れたが、この本でも「日本ブランド」のプレミアム化の必要性を主張している。日本の製品には「高品質」というイメージはある。しかし「私が欲しいのはこれだ」という個性、エモーショナル、テイストを強く持つブランドは少ない。一方では日本には「日本の匠」「 おもてなし」「ZEN(禅)」といった既に評価を得ている文化イメージがある。 「欧州製品ではなく日本製品が積極的に選ばれるようになるには、『自分は欧州製品より日本製品が好き』と思ってもらえるエモーショナルな価値を作っていかなければならない。 高品質をベースにしながら、日本ならではのデザイン、もの作りの思想などもある程度ベクトルを揃える必要がある」(P208) 「研ぎ澄まされたミニマルな 美しさと圧倒的な高品質感(ZEN+TAKUMI)。これこそが海外の人々が日本の高級製品に期待していることではないだろうか」(P211) この点について、やや余談。 山崎氏は、マツダデザインについて次のように書く。 「マツダが2017年の東京モーターショーで参考出品したコンセプトカー『ヴィジョン・クーペ』のデザインコンセプトは、これまでの魂動(こどう)デザインを発展させて、『引き算の美学』により、さらに無駄を削ぎ落とした『凛』としてきた。ミニマルでシンプルな面ながら光の当たり方で刻々と表情が変わり、いつまで見ていても飽きないデザインとなっていた。まさにZENの世界でドイツやイギリスの高級車とは明らかに異なる独自の高級車像を実現していたと思う」(210~211) これが、今年発売予定のMazda3(日本名:アクセラ)のデザインに引き継がれているという(https://forestjo.exblog.jp/30394066/) もう一つ面白い主張をしている。 「そして日本発の、欧州のものとは異なる世界観のプレミアムを目指すのであれば、ネーミングは日本由来のものであるべきだと考える」(P213) 私は若いころクルマのネーミング事務局を担当していたことがある。その時、日本名ネーミングをいくつか商標登録したことがある。実際のネーミングに採用はされなかったが…。日本のクルマ関係のネーミングで日本語由来のものは「スバル=昴」だけだ。 世界の自動車王国は、いまのところやはりドイツと日本だと言っていいだろう。両国に共通する「まじめで勤勉な」民族気質がクルマ作りに合っているのかもしれない。 しかし、ドイツ車には強力なプレミアムブランド(ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディ、etc)が多いのに対し、日本車にはどうしてそれが少ないのだろう。トヨタが渾身で作り出したプレミアムブランド「レクサス」もいま一つの展開となっている。 私は、このブログでも何度か言ってきたように、そこにはアメリカ流の「マーケティング思想」=「消費者志向」があるのではないかと疑っている。 消費者志向=調査による消費者ニーズへの「適応」は横並びマーケティングや、時代の変遷につられる右往左往を招きやすい。ブランドは単なる「適応」ではなく、「主張、創造、個性、持続」だ。 マーケティング学はアメリカで発達してきたが、欧州では、それには簡単に毒されなかった? アメリカ製品にはマスブランドは多くともプレミアムブランドは少ない。 そういえば、日本のクルママーケティングの黎明期を引っ張ってきた「販売の神様」トヨタ自販社長の故神谷正太郎氏は、アメリカGMのマーケティングで育ってきた人であったことも思い出される。
by jo-toyo
| 2019-02-11 20:08
| ブランド・マーケティング
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