広葉樹と針葉樹はどう違う? (2006年8月11日)
近くの公園でラジオ体操をしていて、首をまわしたとたん、ふだんには気がつかなかった景色が見えてきました。
ここに、最良の教材がある! ということで、カメラをもち出し、さっそく撮ってきました。
見てください。 右半分が広葉樹、そのうち手前が
ケヤキ:ニレ科、奥が
ソメイヨシノ:バラ科です。
左半分は、真ん中の大きい幹を中心に
ヒマラヤスギ:マツ科、左端の2本が
イチョウ:イチョウ科です。
広葉樹と針葉樹の姿がどう違うかって? 広葉樹は、途中から大きな枝がでていて、そこから上はどれが幹でどれが枝かがわからなくなります。一方、針葉樹は、主幹が一本すっと先まで伸び、それから枝が放射状にでて、どれが幹でどれが枝かが明瞭です。後で詳しく説明しますが、イチョウも針葉樹の仲間なのです。
針葉樹と広葉樹は、このように樹形からしてまったくちがうのです。
遠くからみれば、この幹と枝の関係から、針葉樹は
クリスマスツリーのような円錐形に、広葉樹は一里塚に植えられたエノキを思い出していただくとよく解りますが、
こんもりと丸い樹形になるのです。
そしてこのことから、針葉樹の方が柱、梁など建築構造材にむいていることも理解できるでしょう。
イチョウは、針葉樹に近いか、広葉樹に近いか? (2006年4月9日)
すでに、イチョウが裸子植物でマツやスギに近いということを知識として知っている人も多いでしょうが、素朴にその姿を見て納得できるでしょうか。どう見ても、イチョウは、葉が扇形で幅も広く、マツのような針葉樹というよりもどちらかといえば、広葉樹にずっと近いように見えます。
しかし、葉のつくりを子細に見れば納得できます。葉が出たら、また落ち葉でもイチョウの葉をよく見てください。普通の広葉樹の葉は、主脈と側脈があり網状脈といって複雑に伸びています。
ところがイチョウの葉には、主脈がありません。葉柄(枝と葉をつないでいる柄)の付け根を起点に放射状に葉の縁に向かってほぼ同じような線の葉脈が伸びています。これを平行脈(二又脈)といいますが、まさに針葉樹の葉がくっついて一枚の葉になったようです。
針状ではなく広い葉をした針葉樹に、
マキ科のナギ という木があります。普通の広葉樹のように楕円形の葉です。葉の形で、針葉樹かどうかは判定できません。
樹の姿を見ても一目瞭然です。イチョウは、エノキやケヤキのように幹が途中で何本にも枝分かれせず、スギやヒノキのように主幹が一本だけすっくと立ちます。材も針葉樹に近く、使用用材としてもその仲間として扱われます。
要は、葉っぱを見るよりも樹形を見た方が広葉樹と針葉樹の区別は正確にできるのです。
これは有名な神宮外苑・絵画館前のイチョウ並木ですが、この姿を見れば針葉樹に近いことがよく解るでしょう。