22日、23日と、春の
枝打ち、間伐でも訪れた奥久慈の林業家の山を活動フィールドに与えていただき、
下刈りボランティアをしてきました。
二日とも、基本的には曇りで、たまに霧雨があったり、一度だけ日が差したり。林業家のお話では、このような曇天あるいは、小雨は、
下刈り陽気というようです。
なぜなら、炎天下のようには暑くなく、雑木や草が濡れているとやわらかく、鎌(今では
鎌ではなく
刈り払い機がほとんどですが)がよく切れ、効率があがったからです。
下刈りは、なぜ真夏に行われなければならないか? それは目的樹(スギやヒノキ)の生長の邪魔をする木や草の勢いを弱めるためです。
植物は、春から生長を始めますが、その最初の生長は、前年度に根や幹に貯めた養分を使って行われます。そして伸びきったところから来年度の生長に必要な養分を貯えていきます。要は、前年度の養分を使い切り、来年度の養分を貯える前に、つまりは支出だけさせ、収入をさせないで赤字にさせて弱らせるのです。
この伸びきったところで刈るという意味合いから、真夏の作業になるのです。林業作業のなかで、この下刈りが最も厳しいといわれます。
(右端が私、手前の女性は下刈り鎌で刈っている)
しかし、真夏としては涼しい上に、このような美しい林の中の作業ですから、気持ちのいい汗、この上もありませんでした。
このような山を複層林といいます。この場合は、複層林のなかでも、上木(高い木)とその下に下木(低い木)の二段で構成されていますから、二段林といいます。そのメリットは、さまざまありますが、皆伐のように裸地になることがないため水土保全上いいこと、連続的に収穫できることなどなどです。
この林業家の山は、複層林経営で農林大臣賞を受けています。
気持ちのいい汗に夢中になっていて、アブに血を吸われるのに気がつきませんでした。作業着の上から吸われ、血がにじんでいるので気がつきました。さっそく叩き潰し、傷口からアブ毒を何度も口で吸い出し、ことなきを得ました。
作業の途中には、こんなお客さんも訪れ、心を慰めてくれます。
ノリウツギの蜜を吸いに来た
アサギマダラです。「渡り」をする蝶として知られています。福島県から奄美に渡りをした個体も知られています。このアサギマダラも奥久慈から奄美まで旅をする?
次回は、奥久慈の夏の図譜です。蛍狩りもあります。
高尾山植物観察会の様子が、三芳ハイキンゴクラブのHPで紹介されました。
http://www.fiberbit.net/user/y_yamada/mhc_title5.html