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2017年 09月 08日
このところ暇にあかせて、身の程知らずの経済書を読むことが多いが、また一冊を読んでいて、ある感慨を覚えたので書いてみる。
加藤出著「日銀、出口なしー異次元緩和の次に来る危機」、日銀ウォッチャー第一人者といわれる著者が日銀の異次元金融緩和への疑問、危惧をまとめた書であるが、ここでの話はその主題についてではない。 ここで触れたいテーマは、「ブランド」というものについて。 私は、現役時代のほとんどを「ブランド」にかかわって来たといってもいい。新入社員早々から、当時日本でもブームになり始めていたCI(Corporate Identity)に10年余を携わった。今では知る人も少ないかもしれないが、CIとは企業ブランドのイメージ確立がその目的であったが、その後の日本でも大ブームになった。それから後も宣伝分野などを主に渡り歩き、リタイア前に在籍したのも文字通り「ブランド・マーケティング部」であった。 さらにリタイア後も、ついに思い余って「ブランド本」をモノしてしまった。 それはさておき、著者加藤氏の主張の中心は、異次元金融緩和だけでは日本の経済は強くならない(だけでなく、異次元緩和は後々巨大なツケを払わなければならなくなる?というのが同書の中心テーマ)、やはり強くするためには成長戦略、構造改革が必要との当たり前ともいえる指摘であるが、その中心の一つが日本企業のブランディング(ブランド作り)の必要性だという。
「かつてアップルのスティーブ・ジョブズは『収益向上にとって必要なのはコストカットではない。イノベーションだ』と述べていた。しかし、それには独創性、企画の実現を阻む障害を突破する行動力が必要になる。 しかし、日本企業は新興国企業との競争をコストカットで乗り切ろうとした。多くの大企業が右ならえでそれを行うと、関連会社も含め賃金が抑制され、全体として消費は緩やかに悪化し、一段と企業収益を圧迫するという悪循環が起きてきた」(p51~52) 技術開発、組織改革といった企(起)業家精神的なイノベーションではなく、人件費を中心とするコストカットだけにまい進した。「失われた20年」の日本のデフレ状況の最も大きな原因の一つは、そこにあった。 「一方、欧米には、新興国の製品との価格競争に拘泥することを避けるため、ブランディングに積極的に投資して、利幅が厚い製品を売り続けている企業が多い。それには長期的なマーケティングが必要だが、新興国の消費市場で観察していると、多くの日本企業はそれに経営資源を割いていないことが明確に感じられる」(p52) 「ブランド」に対して差別性のない商品を「コモディティ(日用品)」というが、日本製品の多くがコモディティ化してしまった。 その結果は明瞭に現れている。 まだまだ国際的にも競争力が強いといわれるクルマメーカーでさえ、例えば2014年度の台当たり利益ではドイツ勢との大きな差が出ている。BMW60万円、ダイムラー59.5万円、それに対して日本勢ではトヨタ25.2万円、ホンダ19.4万円、日産は11.1万円。 腕時計でも、かつての日本のデジタル時計は今やその面影もなく、スイス高級時計の天下となっている。スイス時計の「らしさ」を守るために2013年には国会で「スイスらしさ法」が可決されたという。国を挙げてのスイス製品のブランディングの議論が真剣に行われている。 2013年の営業利益率にも、それが表れている。リシュモン(カルティエ、ピアジュなど多くの高級ブランドを傘下に持つ)は23%、バーバリーは19%、スウォッチ(オメガ、ロンジンなど高級時計ブランドを傘下に持つ)27%、エステーローダー(化粧品)は15%、BMWは11%、それに対して日本勢は、トヨタ6%、資生堂7%、セイコー5%、ソニーはマイナス3%(p253~254)。 日本ブランドの雄であったソニーの凋落が何よりも寂しい。 「(人口減少などもあり国内市場の拡大が望めないなかで)海外市場の開拓が日本企業の成長ドライバーとなっている今日、グローバルに通用するブランドづくりは喫緊の課題」(p250) 「新興国の製品との価格競争と一線を画すためにも、日本らしい誠実さを醸し出すブランドを構築しながら日本企業は収益力を高めていくべきだろう。そうしないと、持続的な賃金上昇の実現は難しくなってしまう」(p255) 今や「Japan」は、世界でも大人気だという。本当のところはどうか知らないが、仮にそうなら日本の誠実さ、おもてなし、センスの高さを生かした「日本らしさ」を持ったもっと強い世界ブランドがどうしてできないのだろう? わが元会社(マツダ)が、いま日本のクルマメーカーの中で「ブランド・マーケティング」に最も熱心であり、また世間でもそう認められつつあるのは、私にとって嬉しく、誇らしい限りである。http://diamond.jp/articles/-/86497
by jo-toyo
| 2017-09-08 08:32
| ブランド・マーケティング
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