真夏の8月はもともと休んでいて、9月は雨ばかり。7月以来、久方ぶりに23日(金)に、
南草津里山で森林整備です。国の交付金を得ての作業も今年で三年目、最終年です。いよいよこれからが追い込み。
朝まで雨、9:00~15:00の作業時間にちゃんと雨は上がってくれるか? ハラハラ。
6名が9時に揃うと、奇跡的に雨は上がりました。また作業終了までなんとか持ちました。
作業は、
笹刈り と。
伐採 この伐採には、一苦労がありました。
ふつう林の中の伐採では、木を倒す方向は、①他の立木にかからないこと(
かかり木をしない。かかり木は最も危険な作業を強いられます)、②倒す木の
重心 がどこにあるか、で決めます。重心がある方向だと伐倒が楽だからです。
コナラなどの広葉樹だと林の中でも光を求めて多くは多少は斜めに伸びていきます。だから重心の見極めは比較的容易。
しかしモミノキなど針葉樹はほぼ真っ直ぐに垂直に伸びます。だから重心の見極めが難しい。それでもある多少の幹の傾き、枝の張り方、それらから一応の重心のある方向を見つけます。
この木では、もともと左側にやや重心があるとみなしました。しかし左に倒すには倒す場所がない。どこに倒してもかかり木の恐れがある。そのため、写真には写っていませんが、右側に倒すために①その方向にロープでも引っ張った上で、②クサビを使って、重心を左から右に移動させて右に倒す。そういった高度の伐倒方法にチャレンジしました。
倒す方向、つまり重心とは逆の右側に
受け口 を入れます。この三角状の受け口の垂直方向が倒す狙い場所です。
受け口の反対側から、
追い口 を入れていきますが、左に重心があるためチェーンソーが噛まれないように切り口にクサビをかまします。
もし右側に重心があるなら、この時点で自重でこの木は倒れます。だから重心方向に倒すのは楽なのです。
右側にロープを張っているのは、この時点で左側に予期せず倒れるのを防止する意味もあります。予期せず左側に倒れると非常に危険です。
じゅうぶん追い口を入れたところで、二本のクサビを追い口に打ち込んでいきます。これによって倒す方向の逆にある重心を立てていって反対側に移していきます。
お分かりですか? クサビを打ち込むことによって木を起こし、左側から徐々に重心を右側に移していくのです。
見事、成功!
クサビをほぼ打ち込んだところで自力でこの木は倒れました。クサビの厚さが追い口のすき間を広げることにより木の重心が右に移ったのです。
100年近い大木のモミノキでした。小さなクサビに、おそらく数十トンというこの大木を倒す力があるのです。
白根高原三日目の今朝25日、初めてお日様が拝めました。
レオ君はご機嫌。