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2015年 02月 08日
我々森づくり集団「栞」の女性会員の大学時代の恩師が書いた面白い本があるというので読んだ。
ヤマケイ新書 『唱歌「ふるさと」の生態学―ウサギはなぜいなくなったのか?』(高槻成紀著) 唱歌「故郷(ふるさと)」 兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川 夢は今もめぐりて 忘れがたき 故郷 如何にいます 父母 恙なきや 友がき 雨に風に つけても 思い出づる 故郷 志をはたして いつの日にか 帰らん 山は青き 故郷 水は清き 故郷 昭和19年生まれの私など涙が出るほど懐かしい風景を歌った唱歌だ。私は平野の真ん中で育ったためあまり山で兎を追ったことはないが、「小鮒釣りし かの川」などはありありと目に浮かぶ。 いうまでもなく、そんな原風景は今日ではほとんど消えてしまっている。 その風景はいわゆる「里山」と呼ばれるものだが、そこでは今日、兎がいないのはもちろんだが、里山自体が崩壊している。 戦後しばらくはまだ里山には兎(ノウサギ)は日常目にした。それは茅場(かやば)があったから。家畜の飼料、刈敷(かりしき)としての肥料、屋根葺きの材料、こうした資源利用により毎年刈り取られて遷移が止められ、いつも新鮮な草があった。兎、ハタネズミ、カヤネズミなどはこの茅場の生き物。 植生が草本の段階に止められた茅場は木がなく開けたところだから、外敵(ワシやタカなどの猛禽類にも)に狙われやすい。兎の特徴を見るとそうした場所に住む動物であることがよく解る。音に敏感な長い耳、逃げ足の速い長い後ろ足。 そしてこの茅場を含む里山には周りの雑木林を含めてまだ多くの哺乳動物がいた。タヌキ、キツネ、アナグマ、リス、ムササビ、イノシシ。 この茅場や雑木林などからなる里山は、動物の生育の場としてどんな特徴があるか? 著者は次のようにまとめる。 ①集約的な植生管理 茅場は刈り取られたり、火入れをされたりと人によって集約的な植生管理がなされる。 ②豊富な食べ物。 草や葉っぱはもちろん木の実、昆虫など動物にとって食べ物に恵まれている。ただし人によって突然に刈り取られたりの変化がある。 ③被害防除 作物の被害を守るため、案山子や音などで脅したり、実際に捕らまえるなど最も恐ろしい人という敵がいる。 ④小面積の多様な群落がモザイク状に配置されている。茅場、雑木林、ため池、農地などが隣り合って配置されている。 などなど。 それでは、こうした里山環境に住む動物にはどんな特徴があるか? ①体が大きくないこと 多様な食べ物はあるが、量がまとまっていない。だから大食の体の大きな動物は住めない。 ②警戒心が強すぎないこと 最も怖い人がいるなどストレスが多い。あまりに警戒心が強くストレスを感じやすい動物は住めない。 ③寿命が短いこと 里山は刈り取りや伐採など環境が激変しやすい。また寿命が長いと捕獲されるなど危険な目に合う確率が高くなる。 ④繁殖力が高いこと 先のように危険が高く、死亡率が高い。だから子供の数が多く、短期間で生殖を繰り返すなどしないと集団は続かない。 ⑤融通がきくこと 里山は人為的など変化の激しい環境だから、食性にしても、生育地利用にしても状況によって変化できること、つまり融通がきくことが有利である。 などなど。 たとえばイノシシは大型の動物であり、本来、里山には向かないはず。しかしイノシシはそれを克服すべく進化している。大型動物としては珍しく5頭以上のたくさんの子を産む。また地下茎やミミズなど地中のものを食べるなどきわめて雑食性が高い。また知能が発達し、人さえも手玉に取る。 そうした里山にも、その崩壊に伴って本来はいなかった動物が出没するようになった。シカ、サル、クマ、アライグマ、ハクビシンなど。 シカ、クマ、サルなど奥山の動物がなぜ里山に出没するようになった? 本来明るく見通しの良かった里山が暗くなり、奥山の動物も危険を感じることなく里山に出られるようになった。里山に人里の崩壊で最も怖い人がいなくなり、新天地になった。果実、作物など採り残しが多くなり美味しい食べ物が多くなった。 要は故郷の崩壊がその理由。サルが最も恐ろしい害獣になった。悪賢い、人を襲う。 アライグマ、ハクビシンは、いうまでもなく外来動物。 アライグマは食性の幅が広く、果実、穀類、水生動物、鳥の卵など何でも食べる。木にも登れば、泳ぐこともでき、気性も荒く知能も高い。敵に回せば最も厄介だという。 ハクビシンは木登りが得意で家屋に浸入して、天井裏に糞をするなど、これも厄介。 里山の崩壊は、唱歌「ふるさと」が歌えなくなるだけでなく、多くの困りごとを連れてくる。 こうしてみると、私たちの里山を明るくする活動も被害拡大防止に大いに役に立っている?
by jo-toyo
| 2015-02-08 07:31
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