木が緑のときは葉の形などで樹木名が解りやすいですが、落葉した樹木は見分けがつきにくい。冬の樹木を見分けるには樹形、冬芽などの方法もありますが、今回は
樹肌での見分け方 を取り上げてみましょう。
最近の野山歩きで出会った落葉広葉樹の樹肌シリーズです。
その中でも特徴のある解りやすいものを中心に。
クヌギ:ぶな科
ご存知、里山の代表木の一つ。薪や炭に最適。
コルク質が発達し、縦に不規則な裂け目がある。よく似て、よりコルク質が発達したものに
アベマキがある。特にアベマキは戦時中などコルク生産に利用された。
ブナ:ぶな科
白い滑らかな樹肌。
肌が白いところから
白ブナとの呼ばれる。肌が黒ければ
イヌブナ(黒ブナ)。
サイカチ:まめ科
肌というより分岐した棘ですぐ解る。見るからに恐ろしい棘を幹や枝に持つ。動物から身を守るため?
イヌシデ:かばのき科
白い筋が網目模様に入る。
アカメガシワ:とうだいぐさ科
イヌシデに似ているが網目が細かい。メロンのよう?
イイギリ:いいぎり科
あまり馴染みのない木かもしれませんが、秋の赤い実がきれい!
細かい斑点の模様が特徴。
トウカエデ:かえで科
これからは、あまり美肌でない木の代表選手たち。
樹皮が薄く剥がれて汚い。
アキニレ:にれ科
こちらは、樹皮が鱗片状に剥がれてまだらに斑紋が残る。
ヤマボウシ:みずき科
樹皮が赤黒く、やはり斑紋が残る。
年輪を作る形成層が外に樹皮を作っていくという、どの樹木もメカニズムは同じでありながら、どうしてこんなに表皮の表情が違うのか? やはり植物は奥が深い!