白根高原便りは、次回の「芳が平の紅・黄葉」で終わりにしようと思っていましたが、これも載せずにいられない!
草津町で出会った
ツタウルシ七変化です。
ツタウルシ:うるし科は、同じ科の中でも一番のかぶれ毒の強さ。肌の弱い人は空気感染でもかぶれるほどだといいます。
しかし、まだ他の紅葉が始まらない早くから紅葉する、しかもその鮮やかさは天下一品。まさに「
美しいものには毒がある」
回りがまだ緑の中でもひときわ目立つ。
ツタウルシの見わけ方は、他の木の幹に掛けあがる、三枚の小葉をもつ3出複葉。
この葉を見かけたら、見るだけで敬して遠ざかること!
まだ緑の葉も混ざってコントラストも鮮やか!
透けるような赤と黄
散り残る二枚の葉
落ち葉となって散り敷く葉
ところで、ツタウルシはなぜこんなに色鮮やかになる?
強いかぶれ毒を動物に警告している? 毒を持った毛虫やスズメバチが派手な警告色を持っているように。
そんな意図があるのかどうか知りませんが、植物が紅・黄葉するのは自己保身のため。これからの寒い、乾燥する冬に葉を広げていたのでは、光合成はできず、逆にエネルギーや水分を浪費するだけ。冬に備えて葉を落とす準備をしているのです。
秋になると、落葉植物は葉に溜まったミネラルなど養分を枝に返し、葉柄の付根に離層という幕を作ります(そこから離れて落ち葉になる)。
それでもまだ葉に残った澱粉が光や低温で分解されてアントシアンという物質に変わります。そうすれば、紅葉。アントシアンが作られず、葉緑素が分解されて緑が失われれば、残った黄色の色素カロテノイドが目立って、黄葉。