前々回の「
No.0273 山祭り神事とフィールドの話題二つ」でとり上げた謎の木についての後日談です。
これまでの森林インストラクター間の議論で、謎の木の特徴は、
常緑樹であること、葉が長楕円形で鋸歯のない全縁であること、葉の裏が白いこと、冬芽が薙刀型であること、その冬芽の特徴からもくれん科らしいこと、などなどから、
オガタマノキが、もっとも近いということになっていました。
これは、昨年12月、下に出てくる今治市の姉の家で私が撮ってきたオガタマノキの葉の写真です。
中央のいちばん高い木がオガタマノキ
しかし、謎の木はまだ幼樹です。幼樹と成木では、葉などに違いが出ることがしばしばあります。例えば幼樹では鋸歯があるが、成木では全縁になる(ヒイラギ、ツタウルシ、etc.)などから、確信が持てていません。また、植物の種の見わけ方に最も実力のある森林インストラクターKさんから、謎の木の葉の葉柄には真ん中に腺点があるが、オガタマノキにはない、との指摘がなされています。
そして、今回の観察の新たな発見が、落ち葉、あるいは木についている古い葉が
黒っぽい茶色になるという特徴です。
ということで、上の写真のオガタマノキがある今治市の姉に確かめてみました(「
No.0232 花の里」、「
No.0267 柑橘の里 」でも紹介)。
確認したのは、二点です。
落ち葉が黒っぽい茶色であるか、葉柄に腺点があるかどうかです。
下記が、姉が送ってくれた写真です。
木に付いている古い葉は、明らかに前々回このブログに載せた写真と同じです。
高い木の枝まで登って撮ってくれたようです。
落ち葉も黒っぽい茶色です。
手前は、左からクリ、カシ、カリンの葉です。明らかに、それらと違った色です。
しかし、葉柄に腺点はありません。若い枝には点々と何かがありますが。
このオガタマノキは、樹齢百年以上?は経っている古木です。
幼木と古木の違い?
丸いのは、今年の蕾です。4月には花開くでしょう。
より、
オガタマノキに近づいてきましたが、まだ腺点の謎が解けません。幼樹の特徴なのか、虫こぶか何かの偶然の傷跡なのか、・・・・・。あるいは、他の樹種なのか、まだまだ議論は続いていくかもしれません。
最後に姉が送ってくれたオガタマノキの説明板です。姉も自分の庭にある木がなにか解らず長年思案していた時に、九州高千穂・天岩戸神社で出会った木がよく似ていたので、十数年前、その木の説明板を撮って来たということです。
一本の木に、一枚の葉にこれだけ熱くなれる森林インストラクターたち大人は、はて? 貴重なのか、単なるオタクなのか?