私は、あるNPOに関係していますが、そのNPOに、プロジェクトを提案中です。
それは、「
外来植物を地域から除去する運動を組織しよう」という提案です。
いま、全世界的に生物多様性の危機が叫ばれています。それは、開発などによって生育場所がなくなっていることも理由ですが、モノや人のグローバルな移動に伴って、ほんらいその地域になかった生物が移入し、地域の固有種を追いやって絶滅に陥れていることも大きな原因になっています。
そのため、日本でも平成16年、「
外来生物法」が制定され、「有害外来生物を持ち込まない、放さない、広げない」の3原則、さらには除去が奨励されています。
動物では、有名なブルーギル、オオクチバス、カミツキガメなどですが、植物でも「特定外来生物」で、アレチウリ、オオハンゴンソウ、オオキンケイギクなど12種、「要注意外来生物」では、セイダカアワダチソウ、オオブタクサ(「
No.0032 エイリアンいっぱい」で取り上げました)、アメリカセンダングサなど80種以上です。
特定外来植物:いずれも環境省HPから
アレチウリ:うり科
北アメリカ原産のウリ科の一年生草本で、生育速度が非常に速いつる性植物で、長さ数~十数mになる。群生することが多い。果実に鋭い棘を密生する。林縁、荒地、河岸、河川敷、路傍、原野、畑地、樹園地、造林地などに生育する。
オオハンゴンソウ:きく科
北アメリカ原産のキク科の多年生草本で、高さは0.5~3m程度にまでなる。中部地方以北の寒冷な土地に分布する。路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷などに生育する。
オオキンケイギク:きく科
北アメリカ原産のキク科の多年生草本で、高さは0.3~0.7m程度。路傍、河川敷、線路際、海岸などに生育する。
いずれも、北アメリカ原産で、繁殖力強く、日本固有種を駆逐していっています。今に日本の原野も、アメリカに占領される?
企画書ドラフトを持って、先日は霞ヶ関の環境省・外来生物課に、昨日は埼玉新都心の環境省・関東地区環境事務所に話を聞きに行きました。
環境省でも推奨する運動とか、励まされて帰りました。
ところで、外来生物は、どうして法律まで制定して、目の敵にされるのでしょうか。それには、三つの理由があります。
①農林水産業への影響―動物では、農林水産物を食べる、植物では雑草として農産物の生育の邪魔をするなど。
②人の生命・身体への影響―動物では、毒があり噛みつく、刺す、植物では、オオブタクサのように花粉症をもたらすなど。
③在来の日本固有種を駆逐する、交雑して遺伝子を汚染するなど。
①②は、直接的な被害ですが、本当は③の被害がもっとも危惧されるのです。地域には、それぞれ固有種があり、それが生物多様性を支えています。生物多様性が高いほど、生態系が安泰であることはいうまでもありません。
それだけではなく、地域にそれぞれ固有の生物がいて、自然に特徴があって、ようやく健全です。経済文化ばかりでなく、自然までアメリカによるグローバル化では、あまりにココロ寂しいではありませんか。
皆さんは、運動に賛同していただけますか? 参加していただけますか?