昨日、一昨日と、群馬県草津近くの標高1000mあたりの白根高原の自然観察をしてきました。
まだ回りの景色は冬枯れですが、いろいろ春らしい出会いもありました。カタクリ(
No.0015で紹介)、ミズバショウ、ザゼンソウ(
No.0000で紹介)などとも出会いましたが、ここでは、それらとは違う三つの「フィールド・ノート」です。
ニホンカモシカと遭遇
まず一つは、多く語る必要はありません。写真を見てください。手前のダンコウバイの花などにピントが来ていますが、その向こうにはニホンカモシカです。私に気付いてこちらを見ています。しばらく見合った後、足早に逃げていきました。
ウシ科、特別天然記念物
シジュウカラの巣づくり
これから迎える新緑の時期、エサの虫なども多くなりますから小鳥たちの繁殖期で、それに向けての巣づくりの季節です。右の写真の木の左側をよく見てください。小鳥の黒い頭が覗いています。シジュウカラです。
夫婦が入れかわり立ちかわり、穴に入り、木屑を外に捨てていました。木の下は木屑でいっぱい。しかし、よく見ると一箇所に捨てるのではなく、広い範囲に散らばっています。一箇所に集めると巣の位置が解るので、警戒して、ばら撒いているのでしょうか。その気で見ていると、木屑を咥えて巣の周りの他の木の枝に飛んでいっては捨てていました。
その巣づくりの現場に、シジュウカラの群れがやってきました。その集団の中には、なんとメジロやコゲラ(キツツキ)が混じっています。上の写真の手前がメジロ、左の写真がコゲラです。
スズメと同じくらい小さい彼らは、そうした群れを作ることによって、身を守っているのです。もう一つの混合集団のメリットとして、他の鳥の採餌行動を真似ることによって、エサの発見のチャンスが増えるからではないか、とも言われています。
巣づくりの警戒といい、小鳥たちなりの知恵です。
シラカバの雨?
空は雲ひとつなく晴れているのに、シラカバの木の下を通ると、水滴が落ちてきます。上を見ると雨のしずくのようにシラカバの木から次々と落ちてきます。
以前どこかで読んだような気がするが、これがシラカバの樹液の雨か?
春、新芽のふくらみなどの生理活動が始まると、シラカバは盛んに水を吸い上げ、余った水を樹液として捨てる。こんな説明です。
帰って文献を調べてみましたが、見当たりません。どなたかこの解釈が正しいかどうか、教えていただければ幸いです。
上を見ると、ヒヨドリが樹液を盛んになめています(上の写真)。また、しずくの落ちた地面には、ハチやチョウが集まっていました。水滴を手に受けてなめてみますと、ほのかに甘味があります。
そういえば、シラカバの樹液からお酒ができたり、キシリトールという虫歯にならない甘味料がとれるといいます。