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2012年 07月 10日
〔私的電子出版〕
左のカテゴリ欄の「林住期という生き方」をクリックすると、これまでのバックナンバーが見られます。 ・「ふるさと」の効用 野山歩きはそれ自体、足の強化や、有酸素運動としてメタボ解消など健康増進に役立つことがさしあたり第一の効用でしょう。先にもいいましたように老後の健康の基本です。それに加えてもっと幅広い心身への健康の面で、あらためて「森林セラピー(療法)」とか「森林浴」とかが話題になっています。 林野庁は、平成16年度より「森林系環境要素が人の生理的効果に及ぼす影響の解明」を続けています。 またその後、産学官連携による「森林セラピー研究会」も立ち上げました。その狙いを次のように言っています。 「森林浴がもたらすストレス・ホルモンの変化、脳活動の変化等の生理的反応を解明するとともに、音、風景、香り等の森林環境要素が人の五感に与える影響を野外・室内において実証していくこととし、それらの結果を基に、効果的な森林療法メニュー及び森林療法を可能にする最適森林環境の態様を明らかにしていく」(林野庁プレス・リリースより) もって回ったお役所らしい言い方ですが、その取組みの中でもフィトンチッドの効果の解明も目的の一つのようです。「森林浴」といえば、即「フィトンチッド」と結びつくのは、皆さんも同じかもしれません。 「フィトンチッド」とは何でしょうか。それは一般的には「森の香り」「木の香り」などと優しく呼ばれますが、そのネーミングの原義をいえば「フィトン=植物(が)」「チッド=殺す」という物騒なものです。 植物は動物のように動くことはできません。そのために他の植物からの被圧や虫、菌類の攻撃から逃げることができず無防備のように思えます。しかしその代わりに見事な攻撃・防衛体制を持っています。驚くほど多様な化学物質を作り出し、敵を寄せ付けなかったり、場合によっては殺すことによって身を守っているのです。抗菌、殺虫、他の植物の成長抑制といった作用を起こす物質であり、まさに植物の秘密化学兵器といっていいかも知れません。むしろ動けないからこそ、そのような多彩な防御兵器を発達させてきたのでしょう。 このように積極的に化学兵器として使う、これが、原義の「フィトン=植物(が)」「チッド=殺す」の名前が生れてきた背景です。植物本体にも含まれているものですが、一般的には森の中など回りに発散する化学物質を総称して「フィトンチッド」といいます。 そのように森の中にはいろいろなフィトンチッドの秘密化学兵器が飛び交い、植物は身を守っています。しかし森に入る人間にはフィトンチッドは「兵器」としてではなく、「薬」として作用します。 よくいわれるように「毒と薬」は紙一重の関係で、大量では毒ですが、適量では薬となるものが多い。近代医薬の大半もこうした植物の「毒」から抽出されたり、それをヒントに作られています。 森林内の大気に発散されるフィトンチッドの濃度は、ppm(0.001%)のまだ千分の一のオーダー(ppb)で、数百ppbから数十ppbといいます。大気中の二酸化炭素の濃度が300ppm(0.3%)台ですから、それよりも千分の一から万分の一とはるかに薄いのです。 そのような少量(適量?)のフィトンチッドは、これまでわかっているところでも、人間にさまざまな生理的効果をもたらすということです。具体的には、ストレスを解きほぐし、やすらぎを与える副交感神経の活動を活発にする作用です。現代人は常にストレスで緊張状態を強いられ、交感神経が興奮しています。森の中にもっとも多いといわれるα-ピネンというテルペン類のフィトンチッドは、実際にこの交感神経の活動を抑え、心身にやすらぎをもたらす副交感神経を活発にするというデータが得られています。 そうしたさまざまな実験データは、たとえば宮崎良文著『森林浴はなぜ体にいいか』(文春新書)に示されています。 ちなみにフィトンチッドは、天気のよい、風のない午前中の針葉樹の中がもっとも多いということですが、それでもこんな濃度なのです。だから、蒸しかえすような匂いではなく、あるかなきかのほのかな香りにしかすぎません。 そしてその本の中には、フィトンチッド物質ばかりでなく、森林が持つ視覚、聴覚などがもたらす人間への生理的、心理的効果がさまざまな実験データとして示されています。視覚であれば森林内の緑あふれる風景、聴覚であれば小川のせせらぎや小鳥のさえずり。いずれもがそれぞれ単独でも効果をもたらしますが、実際にはフィトンチッドを含めそれらが相乗して森に入る私たちにやすらぎや癒しをもたらしてくれるようです。 (この項続く)
by jo-toyo
| 2012-07-10 05:25
| 林住期という生き方
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