落葉樹はすっかり葉を落とし、冬枯れになってきました。
この秋は、関東周辺でも例年になく紅黄葉がきれいだったように思います。折々に紅黄葉の落ち葉を拾って、その都度スキャナーで撮ったものをお見せしましょう。細かく見ると、ふだん見るのとは違った様々な表情があることが解ります。(
写真をクリックして拡大して、より細やかなニュアンスをお楽しみください)
今回は、そのうち
紅葉篇。次回は
黄葉篇。
メグスリノキ:かえで科
かえで科では珍しく三出複葉。
ふつうメグスリノキといえば、真っ赤に紅葉するが、実はオレンジ、黄色といろいろ。
これは、紅黄葉のメカニズムに関わっているのだろう。
日当りのいい葉っぱは光合成で澱粉をたくさん作るためそれが分解してできる
赤の色素アントシアニンが多く貯まる。日当りの悪い葉っぱは澱粉があまりできないためアントシアニンができず、
緑の色素クロロフィルが寒さで分解し、それまで緑の後ろに隠れていた
黄色の色素カロチノイドが目立ってくる。
つまり赤い葉っぱは日当りのいいところ、黄色い葉っぱは悪いところのもの。
モミジバフウ:まんさく科
葉っぱがモミジに似て、しかも真っ赤に紅葉する、だから「紅葉葉楓」?
中国原産。
一般の人がこの木を見ると、カエデだと思うでしょうが、カエデは葉っぱが対生、このモミジバフウは互生。
ヤマボウシ:みずき科
みずき科の葉っぱの特徴は、このように葉脈が先に向かって流れる。
ミズキ、アメリカハナミズキ、ゴゼンタチバナも同じ。
ナンキンハゼとうだいぐさ科
このナンキンハゼも真っ赤に紅葉する木として知られるが、実際は黄色い葉っぱも。
ケヤキ:にれ科
ケヤキにあまり紅葉するというイメージはないが、実際はこのように赤い葉っぱもある。
にれ科の葉っぱの特徴は、このように肩がアンバランス、どちらかの肩が落ちている。
ハルニレ、アキニレ、、エノキ、ムクノキなど。
ホルトノキ:ほるとのき科
この珍しい名前の木は、常緑樹でありながら古い葉っぱを落とす時は真っ赤に紅葉させる。
西日本など暖地に生育するこの木に、四国育ちの私は子どもの頃よく登って遊んだ。冬になると黒く熟す実は「
チンメイ」と呼ばれ、よく食べられた。いま食べるとあまり美味しいとは思えないが。
赤く色づ
いた葉っぱと実(左上)