前回の自然教育園「
しろかねの森」の
こぼれトピックス三題
①埋土種子? トラノオスズカケ
これは、
トラノオスズカケ:ごまのはぐさ科 という珍しい草本。
四国・九州の限られた地域にしか見られない絶滅危惧種だそうです。
(この写真は、自然教育園の展示写真を接写)
そのトラノオスズカケが、「しろかねの森」で見られるその謂われが次のように説明されています。
自然教育園のトラノオスズカケは御料地時代の1932年(昭和7年)に牧野富太郎によって発見され、1949年の開園の頃に絶えたといわれていましたが、昨年秋に芽生えを発見し今回の開花を見るに至りました。自然教育園は江戸時代松平讃岐守の下屋敷でしたが、同郷の平賀源内が下屋敷の一部に薬園を作った記録があります。おそらく当時故郷から種子を運んで栽培したのだろうと推察されます。
50年ぶりの再発見なのですが、生きた植物が生存していたとは考えられず、おそらく休眠性の高い埋土種子が、最近のミズキなどの高木の枯死によって林床に光が差し込むようになったことで、発芽が促されたものと考えられます。
多くの植物の種子は地中で眠っていて、 向いた環境になると発芽してくるというしたたかな仕掛けをもっています。
埋土種子戦略といいます。
それにしても、平賀源内、牧野富太郎といった歴史上の人物が関わった由緒ある?
トラノオスズカケ。
②これでもカエデ?
チドリノキ:かえで科
カエデといえば、蛙手。葉に切れ込みがあるのが相場。しかし、これはシデのような楕円形。
ミツデカエデ:かえで科
これは3出複葉。やはりカエデには見えない。
しかし、この二つ、よく見れば葉が対生で付いています。(亜)高木で対生の葉をつける木はそれほど多くない、高木で対生の葉をみれば、かえで科とみなしてだいたい間違いない。
③トゲのないサンショウ
葉を見れば、どうみても
サンショウ:みかん科。
しかしいくら見ても、枝にトゲがない! 葉を揉んで匂ってみても間違いなくサンショウ。
(自宅のサンショウ)
「サンショウには必ずトゲが枝に対生で付く、それが互生であればイヌザンショウ」 観察会などで説明をしてきたが、それは誤りだった?